血圧の話その4(大動脈解離になったので)『薬・減塩に頼らない血圧の下げ方』

『薬・減塩に頼らない血圧の下げ方』
2023年3月7日第1刷発行
山口貴也

血圧の話その4(大動脈解離になった)

著者の山口貴也は山口醫院の医者です。
この本の特徴は、2023年3月7日第1刷発行と新しい点です。それが、副題の「最新医学データーが導き出した」につながります。


私は大動脈解離になりました。なので、一般論はさておき、さっそく、私が知りたい内容を検討します。

やはり問題は、高血圧でなく血管(動脈硬化)なのか。

「人の健康は血の巡りに左右されます。血管の老化が進むと人も老化する。・・・しかし、血圧が高くても長生きの方はたくさんいます。つまり血圧が高いことと、血管の老化はイコールではないのです」

「高血圧イコール動脈硬化ではなく、・・・薬を飲んで血圧をさげても、多くのケースでは動脈硬化を防ぐことはできません」

「高血圧治療の目的は、血圧を下げることではなく、動脈硬化の予防です」

「生活習慣の改善で血圧が下がると、循環器疾患(心臓血管疾患や脳梗塞)の危険性は下がる・・・ですが、薬を飲んで生活習慣が変わらなければ、副作用の危険性だけ背負い込み利点は何もないのです」

ここらの話が、今まで何冊かの血圧の本を読んで、私が知りたかったことです。そして下記のような小見出しに続きます。

高血圧よりも動脈硬化が問題
動脈硬化の原因「血管内皮障害」

「血管内皮障害」とは何か
「血管を広げることができなかったり、血管の壁に血中の物質がくっついてしまったり、血管の中で脂が酸化してしまったりする状態」

「血液の質も関わりがあります・・・血糖が高いと・・・赤血球の膜の性質が悪くても・・・炎症物資が多くなっても」

 

どうも「血管内皮障害」が問題のようです。さすれば、具体的にどうすればいいか。

高血糖動脈硬化をつくる。血液中の糖が高いと内皮細胞壁に引っ付きやすくなる。
・大量の酸化した脂質が動脈硬化の原因であり、問題はコレステロールより酸化しやすい体質である。
・酸化予防には、抗酸化物資の多い野菜や果物を食べると効果的です。

 

ビタミンDは、多くても少なくても動脈硬化になるが、現代人の多くは不足している。植物性でお勧めは、干しシイタケや乾燥キクラゲ。
・オメガ3を増やすことが動脈硬化予防には大切。
・もっとも重要な減量と食事改善
・運動は必要。急激な運動は突然死に注
・血圧を下げる食品は、ネギ類、梅酢、ニンニク、大根、そば、納豆、葉物野菜。
・腸内で作られるアミン類が、脳卒中心筋梗塞の最後のきっかけになる可能性。(この腸内環境の話が詳しくないので、この点をもっと知りたいと思います)

 

その他の内容を2、3ピックアップします。

・コーヒーを飲んで調子が良くなる人は、穀物や野菜が多いと調子が良くなる人です。コーヒーを飲むと胃が痛くなるなど調子が調子が悪くなる人は、動物性の食品が多いと調子が良くなる人です。中間の人もいるし、稀にタイプが周期的に変わる人がいる。

(このような言い方は、非科学的なようですが、こういうことを書く人は個人的な経験からは信用できます。

というのは私は医療関係の本を何冊か読みましたが、どうも医学は物理や電気のように法則でバシッと言えるものではなく、経済学みたいな総合的な学問のようです。それで医学の場合、有意差とかの言葉が多用されますし、薬が効くかどうかも%なんですね。つまり人によって違う。さらに、誤解を招くかもしれませんが、医学は、どうも法学のように権威の学問の傾向もあると思います。誰が言ったかということが重く見られるという意味で)

・血圧に関しては

昔は年齢足す90が正常血圧の基準でした。高齢者だと血圧が高いことは悪いことではない。心血管疾患のリスクは薬を飲んでも飲まなくてもあまり変わりはなく㊳、飲んで血圧をさげてしまうと死亡リスクがあがる。心血管疾患のリスクが高い場合は血圧の薬を飲むとリスクは多少さがりますが、生活習慣などほかのリスク要因を解決したほうが予防効果は高いのです。

 

(この㊳というのが巻末の参考文献で、本文中にデーターが書いてない場合につけられています。この本の副題の「最新医学データーが導き出した」のことだと思います)