『人は死なない』矢作直樹 その①

『人は死なない』矢作直樹 その①

2023年9月27日 第32刷発行

 

前回まで、血圧のことを調べて、その関係の医者の本を紹介していました。しかし、今回、たまたま東大病院の医者の矢作先生という方の本を買いました。ただ、医者の本でも病気の話ではないです。

 

 

続けて血管と血液の本を読んで紹介していく予定ですが、今回は、その医療の話の休憩と口直しに、全く違うテイストの本を紹介します。

 

『人は死なない』とは、どういうことか。矢作先生は、この本の最後で次のように結論を言っています。

「寿命が来れば肉体は朽ちる、という意味で「人は死ぬ」が、霊魂は生き続ける、という意味で「人は死なない」。私は、そのような考えています」

なんだ、オカルトか、と言われたら、その通りです。

 

ただ、この本の価値の一つは、矢作先生が東大の名誉教授で、東大病院に、それまで軽視されていた総合救急医療とその教育体制を作った人だということです。

そういう先生が、オカルト的なことを言っているということから、読まれているのだろうと思います。ところで、私の個人的なことを言うと、私は、万冊かの蔵書の中に千冊以上のオカルト的な本を読んでいます。その私には、もの足りない内容です。つまり、オカルトとしては、それほどハードでもなく内容が深くもないのです。

しかし、この本の初版が2011年で、私が買った本が2023年9月27日第32刷発行なので、多くの人に非常に読まれている本です。

この本の副題として「ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索」というような高尚な曖昧な副題がつけられています。そういう控えめで懐疑的な点が、この本がよく売れた理由だと思います。

 

思い出したのですが、この本を知ってAmazonで注文したのは、喫茶店朝日新聞を手に取って書評か本の宣伝を読んだからでした。なるほど、朝日新聞の書評に合いそうな副題と著者の経歴です。

 

しかし、著者の本質は、東大の名誉教授だということではありません。文章の雰囲気から、著者は無欲の人だということがわかります。本来の坊さんか修道士のような人です。矢作先生の本質は・・・。

 

しかし、社会的には、矢作先生は、東大病院の緊急医療の体制を作った医師で、たまたま東大医学部の名誉教授にもなったような人です。
そういう著者があえて正直にオカルト的なことを書いたというのが、この本の価値の一つだと思います。オカルト的なことを書くのは、得になりませんからね。宣伝や得にならないことを書くというのは、徳のある著者である場合も多いのです。損得を越えていますからね。今回言いたいのは、このことです。

次回は、私がこの本で面白いと思った話を、2つ3つ具体的に紹介しようと思います。