『幸せな牛からおいしい牛乳』その3 中洞正

中洞正さんの『幸せな牛からおいしい牛乳』から引用します。

『急峻な牧草地を登っては下り、下っては登る。ときには、急傾斜の下り坂を猛スピードで駆け降りる姿に驚かされる。牛の4本の脚はすこぶる強靭だ。蹄は、生まれてから死ぬまで一度も削蹄しない。よく運動しているから爪が擦り減り、わざわざ切る必要がないのである。中洞牧場の牛は、胴の張り、地面にはりつくような幅広い蹄、蹄を支える強靭な足腰が自慢だ。この強靭な足腰が消火器系や呼吸器系の内臓を強くし、健康に育つ。だから、ほとんど病気にかからず、ビタミン剤、ミネラル剤、ホルモン剤などは無用である。・・・ダニ熱は・・・予防注射を行うが、中洞牧場では一切しない。・・・子牛のときから放牧しているうちに免疫ができるために、感染しないのだろう。ワラビなどの毒草の被害もまったくない。子牛のころから無数にある草を自由に食べて育った牛は、どの草が食べられ、どの草が毒草かを、自ら判断できる』